【名寄】2026年度名寄市文化賞の産業部門(商工業振興)に、藤田産業株式会社代表取締役会長、前名寄商工会議所会頭の藤田健慈さん(74)が選ばれた。名寄市文化賞審議会(佐藤源嗣会長)が8日午前10時に市役所名寄庁舎で、加藤剛士市長に答申して決定した。授賞式は「文化の日」の11月3日午前11時からホテル藤花で行われる。

藤田さんは1952年3月24日、名寄市の生まれ。神奈川大学工学部応用科学科を卒業後、75年4月に東京ガスエネルギー株式会社に入社。88年6月に藤田産業株式会社取締役営業部長、2002年6月に同代表取締役社長、21年7月に同代表取締役会長。

また、05年7月に株式会社エフエムなよろ代表取締役、20年10月に株式会社まちづくり名寄代表取締役。

1998年11月に名寄商工会議所議員、2007年11月に同常議員、13年11月に同会頭に就任し、4期12年務め、地域経済をはじめまちづくりに献身、努力を重ねた。

その間、新型コロナ禍では、市との連携などによる地域商品券事業などの消費喚起、事業者支援などの取り組みをはじめ、経済の地域循環と地域DXの先駆けとなる電子地域通貨「ヨロカ」導入、名寄市中小企業振興審議会長として中小企業振興条例の全部改正、中小企業振興策検討でリーダシップを発揮し、中小企業や地域経済の発展に貢献。

人口減少や厳しい地域経済を憂慮し、15年に官民連携に着目した「市立図書館を核とした複合施設の取組」による中心市街地活性化、23年に高速道路開通を見通した「名寄IC拠点整備構想」を市に要望し、併せて「名寄物流拠点化事業促進協議会」を設立。人手不足などの課題では、現在の「名寄市雇用促進対策協会」設立を市に働きかけ、25年の株式会社タイミーとの包括連携協定は道内他商工会議所の先駆けに。22年には名寄高校とのキャリア教育・地域づくりに関する連携協定を締結した。

20年には商工会議所出資による株式会社まちづくり名寄を設立。地域の大きな課題である王子マテリア名寄工場跡地で大型倉庫の物流活用に道を開いた他、中心市街地の老朽ビルの解体、現在準備を進めている空き店舗を活用した高校生向け寮の整備。今年は「名寄市まちなかグランドデザイン」を策定し、市の「名寄まちなか未来宣言」を導くなど、中心市街地活性化に寄与する取り組みを進めている。

25年には有志による「名寄地方創生会議」を結成し、市の第3次総合計画策定で「名寄市の未来は選択できる~産学官で挑む、人口定常化へのチャレンジ~」を提言した。

その他、名寄市をはじめ税関係、自衛隊関係など多くの要職を歴任。23年春の叙勲で旭日小綬章(産業振興功労)を受章した。

名寄市文化賞の受賞が決まり、藤田さんは「商売をしながら、名寄市民として当たり前の生活、名寄の発展のためにさまざまなことに取り組んできた。今回の受賞を機会に気持ちを入れ替え、さらなる名寄の発展のために尽くしていきたい」と語る。

新型コロナ禍や王子マテリア撤退もあり、「波乱に満ちた会頭在任だった。新型コロナの時は商工業が痛めつけられ、何とか守らなければならない―と行政に働きかけ、商品券事業、ドライビングシアターを実施。少しでも希望を―とイルミネーションを駅前に飾り、新型コロナが終わるまで点灯した」。

「王子マテリア撤退は寝耳に水で、何度も東京銀座の本社に向かい、署名を届けた。工場は管理人を置いて残す予定だったが、それでは困るため、全部解体してもらった。何もなくなったからこそ何かできるもので、倉庫を活用するなど跡地を再利用している」と振り返る。

会頭在任中について「12年間はあっという間で、いろいろなことをやらせてもらった。行政の力添え、会議所常議員、議員、職員の協力のおかげであり、感謝している」と語っている。

会頭在任の12年間を振り返る藤田健慈さん

会頭在任の12年間を振り返る藤田健慈さん