【名寄】6日に開催される下多寄神社の例大祭に向けて、伝統の“風連獅子舞”の練習が佳境を迎えている。100年以上の歴史を誇るこの文化を次世代に繋ぐため、地域の若者や子どもたちが連夜稽古に励んでいるが、担い手不足という課題にも直面している。風連獅子舞保存会の山口裕司会長は「下多寄地域だけで、この伝統を守っていくということが、だんだんと厳しくなってきている。将来的には風連地域全体を視野に入れ、人材を育成していく必要がある―と考えている」と語る。

風連獅子舞は、風連下多寄地区を中心に1908(明治41)年から今年で118年にわたる伝統を誇り、名寄市の文化財第1号にも指定された。

下多寄地区は1903年頃から富山県人の移住者が多く、08年当時に下多寄神社を創建することとなった際、神社の新築を記念して、郷里富山県の獅子舞を奉納したことが始まり。

この芸術的文化的価値のある獅子舞を、永久に保存するため、61年3月に獅子舞部を解散して、あらためて獅子舞保存会を設立した。

若(わか)連中の部長を務める野宮敬太さんによると、獅子舞は獅子頭、胴体に入る若連中11人で息の合った舞を行うという。

それに加え、獅子を鎮める「獅子捕り」として、小学生から中学生までの子どもたちが参加し、祭りに華を添える。この他、鳴り物の笛、鐘、太鼓のはやしが加わり、全長約5mの獅子が勇ましく躍動する。

神社祭典に向けて、今年は8月18日から瑞生コミュニティセンターを拠点に練習をスタート。仕事や学校を終えた後、午後7時半から集まり汗を流している。

しかし、この伝統文化は今、大きな岐路に立たされている。

野宮さんは「子ども自体が減り、なり手の確保が年々難しくなっている」と担い手確保の難しさを語る。

かつては地域の子どもたちで十分に成り立っていた獅子捕りも、今年は3人での参加見込みだったが、幸いにも小学1年生の新人が加わり、4人体制で本番に臨むことになった。

獅子舞に参加する子どもたちも、その重みを受け止めている。

小学1年生から獅子捕りを続けてきた、風連中学校2年の筒井結翔(ゆいと)さん、石井煌己(こうき)さんは、「この文化が好きで、毎年やりたいという気持ちで続けてる」と語る。

担い手が減っている現状については、「下多寄だけでなく風連地区全体から、『やりたい』と思ってくれる人が出てくれれば」と期待を込める。

本番を目前に控え、石井さんは「当日は、最後まで全力でやり遂げたい」。筒井さんは「最後まで失敗しないでやり遂げたい」などと力強く意気込みを語る。

下多寄神社の獅子舞は、6日の午後1時半頃から、同神社の境内で奉納される予定となっている。

獅子頭を相手に稽古を重ねる獅子捕りの子どもたち

獅子頭を相手に稽古を重ねる獅子捕りの子どもたち